認定調査員に、資格は必須なのか ― 「持っていないとなれない」わけではありません

認定調査員の仕事

認定調査員に、資格は必須なのか ― 「持っていないとなれない」わけではありません

「認定調査員になるには、何か資格が必要ですか?」

これは、この仕事に興味を持った方から、よく聞かれる質問です。結論から言うと、認定調査員になるための必須の資格というものはありません。

この記事では、「資格が必須ではない」ことと、「実際には何が求められるのか」を分けて整理します。

認定調査に携わる立場からの個人的な経験と、公表されている制度資料にもとづいています。所属先の見解ではありません。運用の細部は都道府県・市町村によって異なる場合があります。


必須なのは「資格」ではなく「立場」と「研修」

前提として、認定調査員になるための道筋は、別の記事で詳しく説明しています。

簡単に言うと、**「市町村職員、または委託を受けた事業所等で認定調査を担当する立場に就くこと」と、「都道府県の認定調査員研修を修了すること」**の2つが必須です。

**この2つの中に、特定の国家資格を持っていることという条件は入っていません。**看護師でなければならない、社会福祉士でなければならない、ということはないのです。


では、資格があると意味がないのか

いいえ、そうではありません。

制度上、認定調査を行う人については、**「保健、医療、福祉に関しての専門的な知識を有している者が任命されることが望まれる」**とされています。

これは「必須要件」ではなく、**「望ましいとされる基準」**です。つまり、資格がなければ調査員になれないわけではないけれど、こうした知識・経験があると、実際の調査で活かせる場面が多い、ということです。


実際に活かせる知識・経験

具体的には、次のような知識・経験が、認定調査の場面で役立ちます。

◆身体面の知識

麻痺の状態、関節の動き、日常生活動作の評価など、身体の状態を的確に見極める視点は、看護師・介護福祉士・理学療法士などの実務経験で培われます。

◆行動面・精神面の理解

障害支援区分の認定調査は、行動障害に関する項目が多く含まれています。精神障害・知的障害・発達障害の特性についての理解は、精神保健福祉士や、これらの分野での実務経験から得られるものです。

◆生活全体を見る視点

日常生活の場面をどう観察し、どう聞き取るか。訪問看護、相談支援、ケアマネジメントなどの経験は、生活全体を見る視点を養う機会になります。

◆記録を文章にまとめる力

認定調査では、選択肢だけでなく「特記事項」という文章の記録も重要です。事実を整理して、読み手に伝わる文章に落とし込む力は、どんな資格からも得られるものではなく、記録業務の経験がある方が強みを発揮しやすい部分だと思います。


資格がなくても、調査員になっている人はいます

実際、市町村職員として配属され、特定の福祉資格を持たないまま認定調査を担当している方も少なくありません。

大切なのは、資格の有無そのものより、その方の生活を正確に理解し、記録に落とし込めるかどうかです。資格は、その力を後押しする一つの要素ではありますが、絶対条件ではありません。


最後に

認定調査員になるために、特定の資格は必須ではありません。

必須なのは、**「担当する立場に就くこと」と「都道府県の研修を修了すること」**の2つです。そのうえで、保健・医療・福祉の知識や経験があると、実際の調査の質を高めやすくなります。

「資格がないから無理だ」と最初から諦める必要はありません。まずは、お住まいの市町村や、地域の相談支援関係の事業所に、認定調査を受託しているかどうかを確認してみてください。

Sources:


障害支援区分の認定調査員になるための、具体的な立場と研修の流れは、こちらにまとめています。 → 〔障害支援区分の認定調査員になるには―資格要件と、なるまでの流れ〕

障害支援区分の認定調査そのものの流れについては、こちらにまとめています。 → 〔障害支援区分の認定調査―調査員は何を見て、どう記録しているのか〕

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