1群〜5群とは―認定調査の項目群を整理する

認定調査員の仕事

認定調査票の80項目は、5つの「群」に分かれています。新人調査員が最初に戸惑いやすいのが、群ごとに判断の考え方が異なることです。この記事では、5つの群がそれぞれ何を確認しているのか、整理します。

認定調査に携わる立場からの個人的な経験と、公表されている制度資料にもとづいています。所属先の見解ではありません。運用の細部は自治体によって異なる場合があります。

第1群―移動や動作等に関連する項目

寝返り、起き上がり、座位保持、立ち上がり、歩行、移動、衣服の着脱、じょくそう、えん下など、主に体の動きや基本的な動作に関わる項目です。

この群では、「できるか、できないか」だけでなく、できるときとできないときがある場合、できない状況にもとづいて判断するという考え方が重要になります。「今日はできているから『できる』」と、その場の様子だけで判断するのではなく、普段の生活の中でできないことがある場合には、その状況を確認する必要があります。

第2群―身の回りの世話や日常生活等に関連する項目

食事、口腔清潔、入浴、排尿、排便、健康・栄養管理、薬の管理、日常の意思決定、危険の認識、調理、掃除、洗濯、買い物、交通手段の利用などが含まれます。生活行為を一連の流れとして評価する項目が多いのが、この群の特徴です。

たとえば、一部の動作だけを見ると「できている」ように見えても、準備から後片付けまでを含めると、継続して行うために支援が必要な場合があります。そのため、一部分だけを見て判断すると、実際の生活状況との評価がずれることがある点に注意が必要です。

第3群―意思疎通等に関連する項目

視力、聴力、コミュニケーション、読み書き、感覚過敏・感覚鈍麻など、他者とのやり取りや感覚に関わる項目です。項目数は多くありませんが、本人の障害特性によって、同じ選択肢でも実際の状況が大きく異なることがあります。そのため、選択肢だけでは伝わりにくい背景や具体的な状況を、特記事項で補足することが特に重要になる群です。

第4群―行動障害に関連する項目

被害的・拒否的、作話、感情が不安定、収集癖、異食行動、ひどい物忘れ、多動・行動停止、自らを傷つける行為、反復的行動、対人面の不安緊張、意欲が乏しい、話がまとまらない、自己の過大評価、多飲水・過飲水など、行動面の障害に関する項目群です。

この群では、支援や配慮、投薬などによって行動上の問題が実際には表面化していない場合でも、そうした支援がなければどのような状態になるかという視点で確認します。つまり、「今、問題行動が起きていないから支援は不要」と判断するのではなく、問題が起きていない背景に、どのような支援や配慮があるのかを確認することが重要です。この考え方は、第1群や第2群とは異なる、第4群の大きな特徴です。

第5群―特別な医療に関連する項目

透析、酸素療法、経管栄養、モニター測定など、医療的なケアの有無を確認する項目です。実施されている医療行為を確認する性質が強く、他の群に比べると、判断の考え方そのものに迷う場面は少ない傾向があります。ただし、「医療行為を受けている」という事実だけでなく、項目ごとの定義に該当するかどうかを確認する必要があります。

新人調査員が意識しておきたいこと

5つの群は、見た目には同じように「選択肢を選ぶ」形式ですが、判断するときの軸はそれぞれ異なります。

  • 第1群・第2群:できない状況や、実際の生活全体を踏まえて判断する
  • 第3群:選択肢だけでは伝わりにくい背景を、特記事項で補足する
  • 第4群:支援や配慮がなかった場合にどうなるか、という視点で確認する
  • 第5群:実施されている医療行為と項目の定義を確認する

このように、群ごとの考え方には違いがあります。この違いを理解しておくと、選択肢選びで迷ったときの拠り所になります。

最後に

80項目という数だけを見ると、最初は身構えてしまうかもしれません。ですが、5つの群に分けて捉えると、それぞれの項目群で何を確認しようとしているのかが見えてきます。項目を一つひとつ丸暗記することも大切ですが、実務では、「この群は、どんな考え方で判断するのか」という判断の軸を理解していることが、迷ったときに役立ちます。

まずは80項目を個別に覚える前に、1群〜5群それぞれの性質の違いをつかむことから始めると、認定調査票全体が少し見えやすくなるかもしれません。

新人調査員が最初に迷いやすいポイントについては、こちらの記事もあわせてどうぞ。 → 〔障害支援区分認定調査、新人調査員が最初に迷うポイント―マニュアルだけでは埋まらない部分〕

一次判定・二次判定の仕組みについては、こちらで解説しています。 → 〔一次判定・二次判定とは―区分はどうやって決まるのか〕

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