認定調査で使う書式・ツールとは―認定調査票・概況調査票・マニュアルの役割を整理する

認定調査員の仕事

認定調査の実務に入ると、「この書類は何のためにあるのか」が分からないまま、作業を進めることがあります。認定調査票、概況調査票、サービス利用状況票など、扱う書類はいくつかありますが、それぞれ役割は異なります。この記事では、認定調査で使われる主な書式・ツール(エクセルの調査票やチェックシートなど)を、「何のために使うものなのか」という視点で整理します。

認定調査に携わる立場からの個人的な経験と、公表されている制度資料にもとづいています。所属先の見解ではありません。運用の細部や使用する様式は自治体によって異なる場合があります。

認定調査票―80項目の調査結果を記録する様式

調査対象者への聞き取り結果を、80項目に沿って記録するための様式です。各項目について、調査結果にもとづいて該当する選択肢を選びます。この内容が、一次判定のための基礎となります。

自治体によって使用する様式(エクセル形式が中心ですが、入力方法は異なります)や入力方法は異なりますが、調査員にとっては最も長い時間向き合う基本の書類です。

概況調査票―生活の背景を記録する様式

本人や家族の状況、日中活動、居住状況、サービスの利用状況など、80項目の調査だけでは分からない生活の背景を記録する様式です。

認定調査票が「それぞれの項目について、どの程度の支援が必要か」を確認するものだとすれば、概況調査票は、その方がどのような生活を送っているのかを把握するための資料と考えると分かりやすいです。区分の判定そのものを直接決める資料ではありませんが、審査の過程で対象者の生活状況を理解するための情報の一つとして扱われます。

サービス利用状況票―現在の利用状況や希望を整理する様式

現在利用している、または利用を希望している障害福祉サービスの状況をまとめる様式です。どのようなサービスを利用しているのか、今後どのような支援を希望しているのかなどを整理するために使われます。自治体によって扱いは異なりますが、概況調査票などとあわせて、対象者の生活や支援の状況を把握するための資料になります。

認定調査員マニュアル・チェックシート―判断に迷ったときに立ち返る基本資料

調査項目ごとの判断基準や留意点がまとめられた、調査員にとっての基本資料です。新人調査員の頃は、「この場合、どの選択肢になるのだろう」と迷う場面が多くあります。そんなとき、経験や感覚だけで判断するのではなく、まずマニュアルに立ち返ることが大切です。

また、疑問点への回答をまとめたQ&Aや、確認項目を整理したチェックシートなども活用されています。マニュアル本文だけでは判断しづらい個別の事例を確認する際に役立ちます。迷ったときに「誰かに聞く前に、まず確認する場所」を持っておくことが、調査員としての判断の土台になります。

判定ソフト―一次判定を算出するための仕組み

認定調査票の入力内容と、医師意見書の一部の項目をもとに、一次判定を自動的に算出する仕組みです。調査員自身が直接操作する機会があるかどうかは、自治体や業務の担当範囲によって異なりますが、調査員にとって大切なのは、自分が選んだ調査項目の選択肢が一次判定の基礎になるという点です。

判定の計算式そのものを理解する必要はありませんが、「何となく選択肢を選ぶ」のではなく、判断基準にもとづいて記録することの重要性を意識しておく必要があります。

新人調査員が最初に確認しておきたいもの

実務を始めたばかりの段階では、まず次の3つに目を通しておくと、調査と記録の全体像をつかみやすくなります。

  • 認定調査票―何を聞き、どのように記録するのか
  • 概況調査票―80項目以外に、どのような生活情報を確認するのか
  • 認定調査員マニュアル―各項目をどのような基準で判断するのか

最初からすべてを覚える必要はありません。まずは、「どの書類に、何のために書くのか」という役割の違いを理解しておくと、聞き取りをしながら情報を整理しやすくなります。様式の細かい違いは自治体によってありますが、それぞれの書類が果たしている役割には共通する部分があります。

最後に

認定調査で使う書式やツールは、名前だけを見ると似たように感じるかもしれません。ですが、認定調査票は「80項目の判断を記録するもの」、概況調査票は「生活の背景を整理するもの」、マニュアルは「判断に迷ったときに立ち返るもの」というように、それぞれ役割が異なります。

今、自分が「どの書類に、何のために書いているのか」を意識するだけでも、聞き取りや記録の整理がしやすくなります。特に新人調査員の方は、すべてを覚えようとするより、まず書類ごとの役割を理解することから始めてみるとよいと思います。

新人調査員が最初に迷いやすいポイントについては、こちらの記事もあわせてどうぞ。 → 〔障害支援区分の認定調査、新人調査員が最初に迷うポイント―マニュアルだけでは埋まらない部分〕

概況調査票の書き方については、こちらで詳しく解説しています。 → 〔概況調査票って何を書くもの?―記入前に知っておきたいこと〕

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