施設入所支援とは ― 「施設に入る」というより、「夜間・休日の生活を支える」サービス

障害福祉サービス解説

施設入所支援とは ― 「施設に入る」というより、「夜間・休日の生活を支える」サービス

「施設入所支援」という名前を見ると、日中も夜も、生活のすべてをその施設で完結させるサービスだとイメージされるかもしれません。

実は、少し違います。施設入所支援は、主に夜間・休日の生活を支えるサービスで、日中は別のサービスと組み合わせて利用するのが基本の形です。

この記事では、施設入所支援の仕組みを整理します。

認定調査に携わる立場からの個人的な経験と、公表されている制度資料にもとづいています。所属先の見解ではありません。運用の細部は自治体によって異なる場合があります。


施設入所支援とは、どんなサービスか

施設に入所する方に対して、主に夜間や休日に、入浴・排せつ・食事などの介護、生活等に関する相談・助言、その他の日常生活上の支援を行うサービスです。

具体的には、次のような支援が行われます。

  • 入浴、排せつ、食事、着替えなどの介助
  • 食事に関する支援
  • 生活等に関する相談・助言
  • 健康管理
  • その他、夜間や休日の日常生活上の支援

**ここがポイントです。**施設入所支援は、主に夜間・休日の生活を支える役割を担うサービスです。日中は、生活介護・自立訓練・就労移行支援などの日中活動サービスを利用し、夜間・休日を施設入所支援が支えるという組み合わせが、基本的な形になります。


対象になるのは、どんな方か

施設入所支援の対象となる条件は、日中に利用しているサービスによって異なります。

◆生活介護を利用している方

  • 障害支援区分4以上であること(50歳以上の方は区分3以上)

◆自立訓練、就労移行支援、就労継続支援B型などを利用している方

  • 入所して訓練を受けることが必要かつ効果的と認められる方
  • または、通所が困難と認められる方

この場合、生活介護と組み合わせる場合のような障害支援区分の要件は基本的にありません。

つまり、**「生活介護と組み合わせる場合は区分の基準がある」一方で、「訓練・就労系サービスと組み合わせる場合は、区分よりも個別の必要性が重視される」**という違いがあります。


区分が基準に届かなくても、利用できることがあります

以前、生活介護の記事でも触れましたが、生活介護と施設入所支援の組み合わせを希望していて、区分が基準に届かない方についても、一定の条件のもとで利用が認められることがあります。

対象となるのは、たとえば、50歳未満で区分4に届かない方、50歳以上で区分3に届かない方などです。

指定特定相談支援事業者によるサービス等利用計画案の作成など、必要な手続きを経たうえで、市町村がその組み合わせの必要性を認めた場合に利用できる仕組みがあります。

**「区分が基準に届かないから、施設入所と生活介護の組み合わせは絶対に利用できない」というわけではありません。**個別の状況によって判断されるため、区分だけで諦める前に、まずは相談支援専門員に相談してみる価値があります。


「施設入所」と「入院」は違います

もう一点、混同されやすいことがあります。

施設入所支援は、あくまで障害福祉サービスの一つであり、医療機関への入院とは異なります。

また、施設によって日中に提供しているサービスも異なります。たとえば、生活介護、自立訓練、就労移行支援、就労継続支援B型など、どの日中活動サービスを利用するかによって、日中の過ごし方も変わってきます。

そのため、同じ「施設入所支援」を利用していても、実際の1日の過ごし方は施設や利用するサービスによって異なります。見学や相談の際は、その施設が夜間だけでなく、日中にどのようなサービスを提供しているのかも、あわせて確認しておくとよいと思います。


最後に

施設入所支援は、「生活のすべてを一つのサービスで支えるもの」というより、「夜間・休日の生活を支える、住まいの部分を担うサービス」と考えると、実際の仕組みが分かりやすいと思います。

日中は生活介護や自立訓練、就労系サービスなどを利用し、夜間・休日を施設入所支援が支える。日中活動と夜間の生活支援を組み合わせて利用する仕組みが、施設入所支援の基本的な考え方です。

区分の基準に届かない場合でも、一定の条件のもとで利用が認められることがあります。「自分は対象にならないかもしれない」と区分だけで判断せず、まずは相談支援専門員や市町村の窓口に相談してみてください。


生活介護との組み合わせについては、こちらの記事でも詳しく解説しています。 → 〔生活介護とは―「デイサービスのようなもの」と思われがちですが、少し違います〕

区分ごとに使えるサービスの全体像は、こちらにまとめています。 → 〔区分ごとに使えるサービス一覧―「自分はどれが使えるの?」に答える早見表〕

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