短期入所(ショートステイ)とは ― 「もしものとき」だけでなく使えるサービス
「短期入所」と聞くと、家族が入院したときなど、緊急時だけに利用するサービスだと思われがちです。
でも実際には、もっと幅広い場面で利用できる、身近なサービスです。
この記事では、短期入所がどのようなサービスなのか、どんなときに利用できるのかを整理します。
認定調査に携わる立場からの個人的な経験と、公表されている制度資料にもとづいています。所属先の見解ではありません。利用要件や運用の細部は自治体によって異なる場合があります。
短期入所とは、どんなサービスか
短期入所とは、自宅で生活している方が、短期間、施設に宿泊し、必要な介護や支援を受けられるサービスです。「ショートステイ」とも呼ばれます。
利用できる場面は、緊急時に限りません。
- 介護している家族が病気や事故で入院することになった
- 冠婚葬祭など、急な予定が入った
- 介護者がまとまった休息を取りたい
- 将来の施設利用に備えて、少しずつ慣れておきたい
介護者の休息を目的として利用できることは、意外と知られていないポイントです。「まだそこまで困っていないから申請しにくい」と感じる必要はありません。
対象になる区分
短期入所を利用するには、障害支援区分が区分1以上であることが基本的な要件です。
これは、重度訪問介護の「区分4以上」や、行動援護の「区分3以上かつ一定の要件」などと比べると、比較的幅広い方が利用を検討できるサービスです。区分の数字がそれほど高くない方でも、必要な状況に応じて利用を検討できます。
「福祉型」と「医療型」、2つの種類があります
短期入所には、大きく分けて2つのタイプがあります。
福祉型短期入所
一般的な短期入所として利用されるタイプです。食事・排せつ・入浴・移動など、日常生活に必要な支援を受けながら、短期間施設で過ごします。必要な支援の内容や程度によって、利用できる事業所やサービスの体制が異なります。
医療型短期入所
常時の医療的なケアが必要な方や、重症心身障害のある方などを対象としたタイプです。看護職員が配置されるなど、医療的な対応ができる体制が整っている点が特徴です。福祉型と比べると、対応できる事業所が限られている地域もあります。
医療的ケアが必要な方は、まず近くに利用できる事業所があるかどうかを確認しておくと安心です。
利用できる日数について
短期入所には、連続して利用する場合の日数について、一定の考え方や目安があります。
一般的には、連続利用は30日程度までが一つの目安とされています。ただし、介護者が急病になったり、事故などで長期間介護ができなくなったりした場合など、やむを得ない事情があるときには、個別の状況に応じた対応が検討されることもあります。
また、年間の利用日数についても、支給決定の内容や自治体の運用によって異なる場合があります。実際にどのくらい利用できるのかは、受給者証の支給決定内容や市町村の窓口で確認することが大切です。
通常の利用だけでなく、「もしものときに、どこまで対応してもらえるのか」についても、あらかじめ確認しておくと安心です。
調査員として、知っておいてほしいこと
短期入所の利用を検討する背景には、「介護者側の事情」が関わっていることが多いと感じています。
認定調査では、ご本人の状態を中心に確認しますが、介護者の年齢や健康状態、就労状況なども、概況調査票を通じて把握する情報の一つです。
「本人はまだ大丈夫そうだから」と我慢するのではなく、介護している側の負担についても、遠慮せず伝えていただければと思います。短期入所は、本人の生活を支えるだけでなく、家族が無理を続けなくても生活を続けていくための選択肢の一つでもあります。
最後に
短期入所は、緊急時のためだけのサービスではありません。
介護者が休息を取るためにも利用を検討できる、生活を支えるための身近なサービスです。「まだそこまで困っていないから」と、一人で抱え込む必要はありません。
将来に備えて利用を検討したい場合や、介護を続けることに少し不安を感じている場合も、まずはお住まいの市町村や相談支援専門員に相談してみてください。
参考:短期入所(ショートステイ)|障害福祉情報サービスかながわ
概況調査票で、介護者の状況がどのように扱われるかについては、こちらの記事で解説しています。 → 〔概況調査票って何を書くもの?―記入前に知っておきたいこと〕
区分ごとに利用できるサービスの全体像は、こちらにまとめています。 → 〔区分ごとに使えるサービス一覧―「自分はどれが使えるの?」に答える早見表〕


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