自立訓練とは ― 「できることを増やす」ためのサービス、生活介護との違い
これまで紹介してきた生活介護や居宅介護は、「今、必要な支援を受ける」ことに重心があるサービスでした。
自立訓練は、少し違う目的を持っています。「支援を受け続ける」というより、支援を受けながら、自分でできることを増やしていくことを目指すサービスです。
この記事では、自立訓練の仕組みを整理します。
認定調査に携わる立場からの個人的な経験と、公表されている制度資料にもとづいています。所属先の見解ではありません。運用の細部は自治体によって異なる場合があります。
自立訓練とは、どんなサービスか
自立した日常生活や社会生活を送れるように、一定期間、身体機能や生活能力の維持・向上のための訓練を行うサービスです。訓練等給付に分類されます。
自立訓練には、「機能訓練」と「生活訓練」の2種類があります。
機能訓練と生活訓練、対象が異なります
◆自立訓練(機能訓練)
主に身体障害や難病のある方を対象に、理学療法や作業療法などを通じて、身体機能の維持・向上を目指します。入所施設や病院を退所・退院した方が、地域での生活に移行するために、身体機能の維持や回復を目指す場合などに利用されます。
◆自立訓練(生活訓練)
主に知的障害や精神障害のある方を対象に、入浴・排せつ・食事など、日常生活を送るために必要な能力の維持・向上を目指す訓練を行います。
「身体面の機能を高めるなら機能訓練、生活する力を身につけるなら生活訓練」と考えると、分かりやすいと思います。
生活介護との違い
以前紹介した生活介護と自立訓練は、どちらも日中に利用するサービスですが、目的が異なります。
| 生活介護 | 自立訓練 | |
|---|---|---|
| 主な目的 | 常時介護と生活支援 | 生活能力・身体機能の維持・向上 |
| 対象 | 常時介護が必要な方 | 訓練によって生活能力や身体機能の維持・向上を目指す方 |
| 区分の要件 | 区分3以上(50歳以上は区分2以上) | 区分は問われません |
自立訓練は、障害支援区分の有無にかかわらず利用を検討できるサービスです。「今は常時の介護を必要としているわけではないけれど、生活の中で自分でできることを増やしたい」というときに、選択肢の一つになります。
利用できる期間には、目安があります
自立訓練は、一定期間、目標を定めて訓練を行うサービスという性質上、利用期間の目安が定められています。
- 機能訓練:標準的に18か月程度
- 生活訓練:標準的に24か月程度
ずっと利用し続けるサービスではなく、期間を区切り、その中で目標に向かって取り組むという設計になっています。個別の状況によっては、利用期間の延長が認められることもあります。
「宿泊型自立訓練」という形もあります
生活訓練には、夜間も含めて生活訓練を受けられる「宿泊型自立訓練」という形もあります。
日中は就労移行支援などを利用しながら、夜間や住まいの場で生活訓練を受けたい方にとって、選択肢の一つになります。たとえば、一人暮らしに向けて生活の練習をしたい、日中の活動と並行して生活する力を身につけたい、将来的に地域で自立した生活を送りたい、といった場合に利用が検討されます。
すべての事業所で提供されているわけではないため、希望する場合は、地域に利用できる事業所があるか確認が必要です。
最後に
自立訓練は、「できることを増やしていく」ことを目指す、期間を区切った訓練のサービスです。
身体面の機能を高めたい場合は機能訓練、日常生活を送る力を身につけたい場合は生活訓練というように、目的によって選択肢が分かれます。
障害支援区分の有無にかかわらず利用を検討できるため、「まだ区分の認定を受けていないから」とためらう必要はありません。自分に合うサービスかどうか分からない場合は、まず相談支援専門員や市町村の窓口に相談してみてください。
生活介護との対象や目的の違いについては、こちらの記事でも解説しています。 → 〔生活介護とは―「デイサービスのようなもの」と思われがちですが、少し違います〕
区分ごとに使えるサービスの全体像は、こちらにまとめています。 → 〔区分ごとに使えるサービス一覧―「自分はどれが使えるの?」に答える早見表〕
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