就労継続支援B型とは ― 「働く場所」だけではない、日中活動の選択肢

障がい区分認定調査

就労継続支援B型とは ― 「働く場所」だけではない、日中活動の選択肢

これまで紹介してきた生活介護や自立訓練は、「介護」や「訓練」を中心にしたサービスでした。

就労継続支援B型は、「働くこと」を軸にした日中活動のサービスです。ただ、一般的な「就職」とは仕組みが異なる部分も多くあります。

この記事では、就労継続支援B型がどのようなサービスなのかを整理します。

認定調査に携わる立場からの個人的な経験と、公表されている制度資料にもとづいています。所属先の見解ではありません。運用の細部は自治体・事業所によって異なる場合があります。


就労継続支援B型とは、どんなサービスか

一般企業への就職や、就労継続支援A型での就労が難しい方が、雇用契約を結ばずに、生産活動や就労の機会を得られるサービスです。

軽作業(部品の組み立て、封入作業など)、農作業、パン・お菓子づくり、清掃など、事業所によって取り扱う作業内容はさまざまです。体調や特性に合わせて、作業時間や利用日数を調整しながら活動できるのが特徴です。


「雇用契約なし」「工賃」という仕組み

ここが、就労継続支援B型の大きな特徴です。

雇用契約を結ばないため、原則として労働基準法や最低賃金法にもとづく「労働者」としての扱いにはなりません。支払われる報酬は「給与」ではなく、**「工賃」**と呼ばれます。工賃の水準は、作業内容や事業所によって異なります。

「働く」という行為は同じように見えても、制度上は雇用ではなく、福祉サービスを利用しながら生産活動を行う仕組みである点が、一般的な就職とは異なります。


就労継続支援A型との違い

似た名前のサービスに、就労継続支援A型があります。大きな違いは、雇用契約の有無です。

就労継続支援A型就労継続支援B型
雇用契約ありなし
報酬給与(最低賃金が適用)工賃
対象年齢原則18歳以上65歳未満原則として年齢制限なし
働き方一定の勤務時間・日数が求められる体調などに応じて利用時間・日数を調整しやすい

A型は雇用契約を結ぶため、一定の勤務時間や業務の遂行が求められます。一方、B型は、体調や生活リズムに合わせながら、より柔軟に利用しやすいという違いがあります。


対象になるのは、どんな方か

就労継続支援B型は、次のような方が対象になります。

  • 就労経験があるものの、年齢や体力などの面から、一般企業に雇用されることが困難になった方
  • 就労移行支援を利用した結果、B型の利用が適当と判断された方
  • その他、市町村が利用の必要性を認めた方

**障害支援区分の認定は、必須要件ではありません。**区分の有無にかかわらず、利用を検討できるサービスです。


生活介護との違い

以前紹介した生活介護と就労継続支援B型は、どちらも日中に通うサービスですが、目的が異なります。

生活介護就労継続支援B型
主な目的常時介護・生活支援就労の機会、生産活動
区分の要件区分3以上(50歳以上は区分2以上)区分は問われません
内容の中心介護、創作・生産活動生産活動、就労に近い活動

「介護や生活支援が中心か」「働くことや生産活動が中心か」が、選ぶときの大きな軸になります。

ただし、実際には、生活介護でも生産活動を行う事業所があり、B型でも生活面への支援が行われることがあります。そのため、単純に「作業をするならB型」と決めるのではなく、本人の希望、体調、必要な支援の程度を含めて検討することが大切です。相談支援専門員と一緒に考えていくのがよいと思います。


利用期間に制限はありません

自立訓練や就労移行支援には利用期間の目安がありますが、就労継続支援B型には、原則として利用期間の制限がありません。長期的に、自分のペースで利用を続けられるサービスです。

「すぐに一般就労を目指す」というよりも、生活リズムを整えながら、社会とのつながりや働く機会を持ち続けたいという方にとっても、選択肢の一つになります。


最後に

就労継続支援B型は、雇用契約を結ばずに、体調や特性に合わせながら、働く機会や生産活動の場を得られるサービスです。

「働く」という言葉のイメージだけで判断せず、工賃という仕組みや、雇用契約を結ばないサービスであることを理解したうえで、ご自身に合うかどうかを検討してみてください。また、生活介護やA型など、似たサービスとの違いを比較しながら考えることも大切です。

まずは相談支援専門員や市町村の窓口に相談し、ご自身の希望や生活状況に合った日中活動の場を探してみてください。

Sources:


生活介護との違いについては、こちらの記事でも解説しています。 → 〔生活介護とは―「デイサービスのようなもの」と思われがちですが、少し違います〕

区分ごとに使えるサービスの全体像は、こちらにまとめています。 → 〔区分ごとに使えるサービス一覧―「自分はどれが使えるの?」に答える早見表〕

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