施設入所支援とグループホーム、何が違う? ― 「住む場所」を選ぶときの分かれ目

障がい区分認定調査

施設入所支援とグループホーム、何が違う? ― 「住む場所」を選ぶときの分かれ目

「施設に入るか、グループホームで暮らすか」——これから住まいを考える方やご家族にとって、悩むことの多い選択です。

以前、それぞれの記事で施設入所支援と共同生活援助(グループホーム)を紹介しましたが、この記事では、2つを並べて比較しながら、選ぶときに意識したいポイントを整理します。

認定調査に携わる立場からの個人的な経験と、公表されている制度資料にもとづいています。所属先の見解ではありません。運用の細部は施設・自治体によって異なる場合があります。


まず、大枠を比較します

施設入所支援グループホーム(共同生活援助)
区分の要件生活介護と組み合わせる場合は区分4以上(50歳以上は区分3以上)区分の要件なし
規模の目安数十人規模のことが多い数人〜十数人程度の少人数
日中の過ごし方日中活動サービスと組み合わせて利用する日中は別の場所(就労先や生活介護など)で活動するのが一般的
立地の傾向郊外に位置することもある住宅地の中にあることが多い

「比較的大きな規模で、日中活動と夜間の生活支援を組み合わせやすいのが施設入所支援」「少人数で、地域の中で暮らす形がグループホーム」というのが、大枠のイメージです。


対象になる方の違い

施設入所支援は、以前の記事で紹介した通り、生活介護と組み合わせる場合は区分4以上(50歳以上は区分3以上)という要件があります。比較的、日常生活の中で多くの支援を必要とする方が利用するケースが多いサービスです。

グループホームは、障害支援区分の要件がありません。区分1〜6の方だけでなく、区分の認定を受けていない方も、利用を検討できます。

ただし、これは「グループホームの方が、対応できる障害の程度が軽い」という意味ではありません。共同生活援助の記事でも触れた通り、日中サービス支援型のように、常時の支援が必要な方に対応できる類型もあります。区分だけで単純に振り分けられるものではなく、実際に必要な支援に対して、その事業所がどこまで対応できるかを確認することが大切です。


生活の自由度は、どう違うか

検討するときによく話題になるのが、日々の生活をどの程度、自分のペースで送れるかという点です。

施設入所支援は、多くの利用者が同じ場所で生活するため、食事の時間や日課など、ある程度共通のスケジュールで生活する場面が多くなる傾向があります。

グループホームは、少人数で生活するため、比較的、一人ひとりの生活リズムに合わせた支援が行われやすい傾向があります。

ただし、これも施設や事業所の運営方針によって異なります。一律に「グループホームの方が自由」と言い切れるものではなく、実際の生活ルールや支援体制を確認することが大切です。


「日中の支援」と「住まい」の関係が、大きな違いです

以前の記事でも触れましたが、施設入所支援は、日中活動サービスと組み合わせて利用するのが基本の形です。生活介護、自立訓練、就労移行支援などの日中活動と、夜間・休日の生活を支える施設入所支援を組み合わせます。施設によっては、日中活動から夜間の生活支援まで、同じ法人や同じ敷地内で一体的に利用できる場合もあります。

一方、グループホームは、基本的に「住まい」の機能を担うサービスです。日中の活動先として、生活介護の事業所や就労先などを別途利用するケースが多くなります。

**「日中活動と住まいを一体的に考えたいか」「住まいと日中活動を、それぞれ別に選びたいか」**も、選ぶときの視点の一つになります。


どちらを選ぶか、決める前にできること

区分の要件や規模の違いだけで、機械的にどちらかに決まるわけではありません。本人の希望、必要な支援の程度、地域にある施設や事業所の状況によって、実際の選択肢は変わってきます。

決める前に、次のようなことをしておくと安心です。

  • 見学や体験利用をしてみる:実際に生活する場所を見ることで、職員の雰囲気や生活環境を確認できます
  • 相談支援専門員に、両方の選択肢を聞いてみる:区分や希望する生活スタイルを伝えることで、地域で利用できる施設・事業所を一緒に検討できます
  • 将来の変化も見据えて考える:今の状態だけでなく、将来的にどのような暮らしをしたいかも含めて考えると、選びやすくなります

最後に

施設入所支援とグループホームは、どちらも「住まい」を支える障害福祉サービスですが、その仕組みは同じではありません。

区分の要件、住まいの規模、日中の過ごし方、生活のルールや支援体制など、違いがあります。「区分が高いから施設入所支援」「区分が低いからグループホーム」と、単純に決まるものではありません。

大切なのは、今どの程度の支援が必要かだけでなく、本人がどのような場所で、どのように暮らしていきたいかという視点だと思います。まずは相談支援専門員に相談し、実際に見学や体験を通じて、ご自身に合った暮らし方を探してみてください。

参考資料


施設入所支援について、詳しくはこちらの記事にまとめています。 → 〔施設入所支援とは―「施設に入る」というより、「夜間・休日の生活を支える」サービス〕

グループホームについて、詳しくはこちらの記事にまとめています。 → 〔共同生活援助(グループホーム)とは―区分を問わず利用できる、地域での暮らしの形〕

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