医師意見書って何?申請前に知っておきたい5つのこと
障害支援区分の申請をすると、「医師意見書」という書類が必要になります。
「何を書いてもらうものなの?」「かかりつけ医にどう頼めばいいの?」——申請が初めての方から、よくいただく質問です。
この記事では、医師意見書について、申請する側が知っておくと手続きがスムーズになる5つのことをまとめました。
認定調査に携わる立場からの個人的な経験と、公表されている制度資料にもとづいています。所属先の見解ではありません。運用の細部は自治体によって異なる場合があります。
1. 医師意見書は、主治医に書いてもらう書類です
障害支援区分の認定では、認定調査(調査員が訪問して聞き取りをするもの)と、医師意見書(医師が心身の状態などについて記載するもの)の、両方が使われます。
医師意見書は、申請者本人やご家族が書くものではありません。主治医など、市町村から依頼を受けた医師が作成します。
市町村が申請を受理すると、市町村から主治医または市町村が指定する医師に、医師意見書の作成が依頼されます。具体的な手順は自治体によって異なる場合があります。
2. 主治医がいない場合は、事前に市町村に相談を
「かかりつけ医がいない」「最近、病院に行っていない」という場合もあると思います。
その場合は、**まず市町村の窓口に相談してください。**市町村が指定する医師などに意見書の作成を依頼する場合があります。
申請を考えている段階であれば、医師意見書を誰に作成してもらうことになるのか、先に確認しておくと、手続きがスムーズです。
3. 意見書には、生活の状況も記載されます
医師意見書は、医学的な状態だけを書く書類ではありません。
心身の状態に加えて、日常生活の状況や生活機能について記載する項目もあります。厚生労働省の医師意見書記載の手引きでも、ADL(日常生活動作)や外出、家事、職業などの「活動」や、家庭・社会での役割などの「参加」を含む生活機能について説明されています。
たとえば、診察室では「歩けます」と見える状態でも、実際の生活では、「短い距離しか歩けない」「外出には付き添いが必要」ということがあると思います。
診察のときに、そうした生活の場面での困りごとを具体的に伝えておくことは、主治医が生活状況を把握するうえでも役立ちます。
伝えるときのコツは、次の3つです。
- 頻度:「たまに」ではなく「週に何回」
- 具体的な場面:「大変です」ではなく「外出時に付き添いが必要です」
- 直近の出来事:「先週、こういうことがありました」
4. 認定調査で話す内容と、大きくずれないようにする
医師意見書は主治医に伝えた内容、認定調査は調査員に話した内容。それぞれ別の場所で作られる書類です。
この2つの内容が大きく食い違うと、審査会で状況を確認する必要が生じることがあります。
話す内容を一字一句そろえる必要はありません。ただ、「同じ生活について話している」という意識を持っておくとよいと思います。認定調査と医師意見書は、それぞれ違う立場から、その方の状態を伝えるためのものだからです。
5. 作成には時間がかかることがあります。早めに確認を
医師意見書は、主治医などの医師が作成します。医療機関の状況によっては、依頼から作成まで時間がかかることがあります。
サービスの利用開始時期などが決まっている場合は、申請の際に、医師意見書の作成時期や手続きの流れについて市町村に確認しておくことをおすすめします。
「思ったより時間がかかって焦った」ということにならないよう、早めに確認しておくことが、いちばんのコツです。
まとめ
医師意見書は、申請者自身が書くものではなく、主治医などの医師に作成してもらう書類です。
申請前に知っておきたいのは、この5つです。
- 誰に作成してもらうのかを市町村に確認する
- 主治医がいなければ、先に市町村へ相談する
- 診察のときに、生活の困りごとを具体的に伝えておく
- 認定調査で話す内容と、大きくずれないようにする
- 作成に時間がかかることもあるので、早めに確認する
この5点を押さえておけば、医師意見書について「何をすればいいの?」と戸惑う場面は、かなり減るはずです。
参考:障害支援区分 医師意見書記載の手引き(厚生労働省、令和3年2月版)
医師意見書と、調査員が作成する特記事項がどう役割分担しているのかは、こちらの記事で詳しく解説しています。
→ 〔医師意見書と特記事項は、どう役割分担しているのか―調査員の目から見た「もう一つの書類」〕
障害支援区分の認定調査そのものの流れは、こちらにまとめています。
→ 〔障害支援区分の認定調査―調査員は何を見て、どう記録しているのか〕


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