認定調査を受ける前は、「何を聞かれるのか」「どのくらい時間がかかるのか」がわからず、不安に感じる方も少なくありません。この記事では、認定調査当日にどのような流れで聞き取りが進むのかを、順を追って紹介します。あらかじめ大まかな流れをイメージしておくことで、当日の緊張を少しでも減らせればと思います。
認定調査に携わる立場からの個人的な経験と、公表されている制度資料にもとづいています。所属先の見解ではありません。運用の細部は自治体や調査員によって異なる場合があります。
調査が始まる前―日程調整と事前の案内
区分認定の申請をすると、認定調査を担当する調査員から、訪問日時について連絡があります。多くの場合は自宅で調査が行われますが、入院中や施設に入所している場合は、病室や施設内の面談室などで行われることもあります。
事前に、普段どのようなことに困っているか、最近の生活の様子などを簡単にメモしておくと、当日の聞き取りで伝え忘れを防ぎやすくなります。
調査の始まり―自己紹介と説明
調査員が訪問すると、まず自己紹介と、これから行う認定調査についての説明があります。認定調査が何のために行われるのか、どのような内容を聞き取るのかなどを確認したうえで、聞き取りが始まります。
家族や、普段の生活をよく知っている支援者が同席できる場合は、一緒に立ち会ってもらうこともできます。本人だけでは説明しにくい場面がある場合、同席者から補足してもらうことで、より普段の生活に近い状況を伝えやすくなることがあります。
概況調査―生活の背景を聞く
80項目の調査に入る前後には、家族構成や日中の過ごし方、利用しているサービスの状況など、生活全体の背景について確認する時間があります。こうした内容は、「概況調査票」に記録されます。80項目だけでは見えてこない、「どのような環境で、どのような生活を送っているか」を把握するための聞き取りです。
80項目の聞き取り―日常生活の場面を一つずつ確認する
続いて、移動や動作、身の回りの世話、意思疎通、行動面、医療的なケアの有無など、80項目にわたる聞き取りが行われます。一つひとつの項目について、「できるか、できないか」だけでなく、日常生活の中でどのような場面で、どのくらいの頻度で支援が必要になるかを確認していきます。
この場面で大切なのは、「良く見せよう」「悪く見せよう」とすることではなく、普段の生活をできるだけそのまま伝えることです。この点については、以前の記事でも繰り返しお伝えしてきました。
聞き取りの終わり―今後の流れを確認する
一通りの聞き取りが終わると、その後の手続きについて説明を受けることがあります。認定調査の内容などをもとに一次判定が行われ、その後、市町村審査会による二次判定を経て、最終的な区分が決まります。
調査そのものにかかる時間は、本人の状況や聞き取りの内容によって異なりますが、多くの場合、聞き取りは一度の訪問で行われます。
調査員として伝えたいこと
「シミュレーション」と聞くと、事前に模範解答を用意しておくようなイメージを持つ方もいるかもしれません。しかし、認定調査で大切なのは、あらかじめ用意した「正解」を答えることではありません。
当日の流れを知っておくことで、少し気持ちに余裕ができる。その結果として、普段の生活について、ありのまま伝えやすくなる。この記事で流れを紹介した一番の目的は、そこにあります。
最後に
認定調査は、特別なことをする場ではありません。普段の生活について、一つずつ順を追って確認していく時間です。当日の大まかな流れを知っておくだけでも、必要以上に身構えず、調査を受けやすくなると思います。
不安な点があれば、事前に市区町村の窓口や相談支援専門員に確認しておくと、より安心して当日を迎えられるでしょう。
聞き取りへの答え方については、こちらの記事で詳しく解説しています。 → 〔認定調査で「できます」と答える前に―同じ状況でも、伝え方で記録はこう変わります〕
認定調査全体の仕組みについては、こちらもあわせてどうぞ。 → 〔障害支援区分の認定調査―調査員は何を見て、どう記録しているのか〕


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