結論から言うと、入院中でも認定調査を受けることはできます。ただし、入院直後などで心身の状態が安定していない場合は、状態が落ち着くまで調査の日程を改めたり、申請の進め方が変わったりすることがあります。この記事では、入院中に認定調査を受ける場合の流れと、そのときに知っておきたいことを整理します。
認定調査に携わる立場からの個人的な経験と、公表されている制度資料にもとづいています。所属先の見解ではありません。運用の細部は自治体によって異なる場合があります。
認定調査は、入院中でも受けることができます
認定調査は、入院中であっても受けることができます。病室や、本人の状態によっては院内の面談室などで、調査員が本人や家族などから聞き取りを行います。
ただし、入院しているからといって、病院での様子だけを確認するわけではありません。入院中は普段の生活とは環境が大きく異なるため、調査では入院前の生活の様子や、普段どのような支援を受けているかについても確認します。
ただし、状態が安定していないときは対応が変わることがあります
調査の際に急な病状の変化などがあり、適切な聞き取りが難しいと判断される場合は、その場で調査を進めず、状態が落ち着いてから改めて日程を設定することがあります。
一方で、申請した直後に入院し、入院してからまだ日が浅く、状態が安定するまでにある程度長い入院治療が必要と見込まれる場合には、いったん申請を取り下げて、状態が落ち着いてから改めて申請するよう案内されることもあります。日程を少し調整すれば済む場合と、申請自体をやり直すことになる場合とでは、その後の流れが変わってきます。
これは「入院中だから調査できない」という意味ではありません。そのときだけの一時的な状態ではなく、普段の状態や必要な支援をできるだけ適切に把握するために、調査のタイミングや手続きの進め方を見極めるという考え方によるものです。
入院中の調査では、「普段の生活」を伝えることが大切です
入院中は、環境が普段の生活と大きく異なります。病院でできること・できないことと、自宅など普段の生活の場でできること・できないことは、必ずしも一致しません。そのため調査では、「入院中に何ができるか」だけでなく、「普段の生活ではどうしているか」についても確認します。
たとえば、次のようなことです。
- 入院前は食事や入浴をどのようにしていたか
- 服薬や金銭管理に支援が必要だったか
- 外出や通院を一人で行えていたか
- 困ったとき、誰がどのような支援をしていたか
本人だけでは普段の生活状況を十分に説明することが難しい場合は、日頃の生活を知っている家族や、相談支援専門員などが同席できると、より実態に近い状況を伝えやすくなることがあります。可能であれば、入院前の生活の様子や、普段困っていたことをあらかじめメモしておくと、聞き取りがスムーズです。
調査員として伝えたいこと
入院中の調査でよくあるのが、「病院ではこうしてもらっているのですが、これで合っていますか」という質問です。ですが調査で確認したいのは、病院で受けている支援だけではありません。大切なのは、普段の生活の中で、どのような場面で、どれくらいの支援が必要なのかを把握することです。
入院中の一時的な状態だけでなく、入院前はどのように生活していたか、どんなことに困っていたか、誰から、どのような支援を受けていたかを、そのまま伝えていただくことが大切です。「良く見せよう」「悪く見せよう」と考える必要はありません。そのときの入院中の様子だけではなく、普段の生活の実態を伝えることが、状況に合った認定につながります。
最後に
入院中だからといって、認定調査そのものを諦める必要はありません。状態が安定していないタイミングでは、調査の日程が改められることもあれば、申請自体をいったん取り下げて出し直すことになる場合もありますが、それはどちらも、できるだけ適切に状況を把握するための対応です。
入院中に認定調査を予定している場合は、「入院中の様子だけでなく、普段の生活についても聞かれる」こと、そして「状態によっては手続きの進め方が変わることもある」ことを知っておくと、当日の聞き取りが少しイメージしやすくなると思います。不安な場合は、入院先の医療ソーシャルワーカーや相談員を通じて、調査のタイミングや同席者、申請の進め方について相談してみてください。
障害支援区分の認定調査全体の流れについては、こちらの記事で詳しく解説しています。 → 〔障害支援区分の認定調査―調査員は何を見て、どう記録しているのか〕
聞き取りの伝え方については、こちらもあわせてどうぞ。 → 〔認定調査で「できます」と答える前に―同じ状況でも、伝え方で記録はこう変わります〕


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